Addressable TVとConnected TV:両方の長所を融合
Mathieu Brissetが、アドレス型TV(addressable TV)とコネクテッドTV(connected TV)の仕組み、そしてマーケターがこれらをどのように活用すべきかについて解説します

これはもともとPeachのウェブサイトに掲載されたものです。PeachからCape.ioへのブランド再構築についてはこちらをご覧ください。
チャネルが多様化する現代の業界において、テレビは依然として信頼性の王様です。
その理由は容易に理解できます。テレビ放送は広告主に対して類を見ないリーチと視聴者の高いアテンションを提供し、多くの場合は世帯全体に同時にリーチできます。テレビ視聴者の多様性と幅広い世代にまたがる性質により、マーケターは他のメディアでは得られない、国全体の文化的ムードを動かせるオーディエンスにアプローチすることができます。
しかしそれにもかかわらず、過去10年間のトレンドは、マーケターが一歩一歩テレビ放送から予算を引き揚げ、多様なデジタルプラットフォームへとシフトさせていく流れでした。もちろんそれは、ソーシャルメディアやデジタルエンターテインメントプラットフォームへと細分化していく自社のターゲット層を追うための試みでもありました。しかし同時に、洗練されたアプローチにより、届けたい相手にのみにターゲットを絞って配信できるというポテンシャルに惹かれた部分も大きく、それこそが若い非伝統的なプラットフォームがこれほど急速に成長した大きな原動力となりました。
しかし今日、この勢力図を再び塗り替えるかもしれないふたつの大きなうねりがあります。それが、アドレサブルTVとコネクテッドTVです。
欠けていた最後のピース
多くのマーケターにとって、アドレサブルTVはパズルの欠けていた最後のピースです。なぜならプログラマティックをテレビの世界に持ち込み、デジタルプラットフォームで当然のように利用しているターゲティング手法をテレビ放送でも実現できるからです。アドレサブルTVを活用する広告主は、世帯の居住地域や家族構成に応じターゲティングすることができます。さらに同じ放送中にリアルタイムでオーディエンス毎にカスタマイズされた別の広告に差し替えて放送することも可能であり、これをダイナミックコンテンツ作成と呼んでいます。
アドレサブルTVとコネクテッドTVを組み合わせることで、マーケターが手にするポテンシャルは計り知れません。コネクテッドTVとは、スマートテレビ、Apple TV、スマートフォン、ゲーム専用機、その他あらゆるデバイスを介し、インターネット経由でテレビ番組をストリーミング配信することを指します。
アドレサブルTVがテレビ経由でのオーディエンスのアプローチ手法を多様化させる一方で、コネクテッドTVはオーディエンスそのものを多層化させています。例えば、ゲーム専用機のみをエンターテインメントの中心として使用し地上波のテレビ放送をほとんど視聴しない層が多く存在するからです。他の電子デバイスに最初から接続可能、または内蔵された高性能テレビ(スマートテレビなど)が今後ますます広く普及していくことを考えれば、この流れは確実に定着していくでしょう。
ここには驚くほど魅力的な可能性が秘められており、重要なのは、そのメリットを享受できるのが大企業や有名ブランドだけにとどまらないという点です。
新たな「信頼」の覇者
デジタルマーケティングの大きな強みは伝統的に、限られた予算のブランドであっても大企業と同じ土俵でオーディエンスの前に立てる点にありました。その一方で、中小規模のビジネスにとっては、いくら予算に制限があってもテレビ広告を出稿するのはその高い費用のせいでハードルが高すぎる現実に阻まれていました。
しかしながら、アドレサブルTVの登場は、テレビならではの高い信頼性を維持したまま、一般的な家庭の画面に中小規模のビジネスを届けることを可能にしました。高度にターゲティングされたテレビ広告枠を部分的に少量から購入できるようになったことは、過去には価格の面で断念せざるを得なかった多くのブランドにとって、テレビが非常に魅力的な選択肢に生まれ変わったことを意味します。
このように、アドレサブルTVを活用すれば、控えめな予算しか持たないブランドであっても、リーチしたいターゲットにのみ絞り費用を抑えた効果的なキャンペーンを展開可能となります。このような企業とっては、まさに双方のいいとこ取りを体現する手法です。
国別のルールと障壁
テレビ全般に関して常に確認しておくべき重要な特徴のひとつは、フォーマットとして極めてドメスティック(地域的)である点です。国ごとに異なる規制や制度が存在するため、グローバル規模で事業を展開するナショナルブランドが、その複雑なテクニカルプロセス全体を効率的に一元管理するのは極めて困難な仕事になり得ます。
実際、PeachでEMEA担当バイスプレジデントを務める私自身、市場ごとにその変化のスピードが異なるのを目にしてきました。EMEA地域のほとんどの国々で何らかのアドレサブル技術がマーケターに提供され始めていますが(例えばイギリスはかなり先進的です)、マーケターによっては利用条件のばらつきが頭痛の種になることがあります。
テレビ広告運用のうえでクリアランス(放送前の広告考査・審査)も注意が必要な点です。これも国によって対応が異なり、急速に進む先端技術に法規制を追いつかせようと試行錯誤している段階です。普段デジタルプラットフォームばかりで広告活動を行っているブランドは、イギリスのClearcastやフランスのARPPといった広告考査機関への申請プロセス(すべての広告コンテンツが適法かつ正確で、安全であることを確認する作業)に慣れていない場合が少なくありません。
そのため、テレビ広告を出稿しようとするマーケターは、作品がこれら考査機関の規定する基準に完全に準拠していることを確実にしなければならず、クリアできなければ放映は叶いません。もちろん、この厳しい規制こそがテレビが今なお圧倒的な社会的価値を保っている大きな要因となっています。視聴者自身がテレビという大画面に対して一定以上の品質管理が施されていると想定しているため、そこで放映されるブランドは自ずと「信頼テストに合格した企業」として好印象を持たれます。
これら一連の複雑なプロセスをクリアする最善の方法は、その複雑な作業全体を一手に引き受けてくれるパートナー企業を選択することです。それにより、マーケターやクリエイターはクリエイティブな表現や、最もアプローチしたいターゲット設計といった本来集中すべき作業に従事できます。アドレサブルTVおよびコネクテッドTVがこれまでにない広告効果をもたらすチャネルであることに疑いの余地はなく、その先進技術を最大限活用することは大いなる一歩を目指すマーケターにとって不可欠な取り組みと言えます。
アドレサブルTVとコネクテッドTVをどのように有効活用できるかといった詳細については、ぜひこちらのフォーム等からPeachまでお問い合わせください。
用語集
コネクテッドTV:CTVとよく省略されます。インターネット接続された、もしくは内蔵型のテレビ受像機のことを指します。例としてゲーム専用機、Google Chromecast、Apple TV、その他の各種機器やサービスが含まれます。
アドレサブルTV:同じテレビ番組を同時に見ている異なる家庭に対して、それぞれにパーソナライズされた適切な別のアドを届ける配信手法です。これによりマーケターは、莫大な予算をかけた従来の画一的な看板テレビCMの手法を超え、個々のユーザーに対する関連性や訴求効果を何より重視して提供できるようになります。
クリアランス:広告をテレビで放映するために、事前に考査機関などによる審査を通過するプロセスです。具体的な承認内容は世界各国の制度や業界規則によって異なりますが、一般には広告描写が法令に適合しているか、子供から大人まで『安全』に視聴できるか確認、担保し放送枠に引き渡す仕組みです。
OTT:「Over The Top」の略で、インターネット経由での動画・音声などの配信サービス全般を指し、動画配信サービス(VOD)のコンテンツも含まれます。具体的な例として、NetflixやAmazon Primeが挙げられます。
テレビ放送:従来のリアルタイムの一方向型テレビ放送サービス(地上波や衛星、CATV経由の放送など)を意味する呼称です。テレビ放送を視聴するには、番組表に従った放送時間に指定のチャンネルに合わせる必要があります。
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